神社の初午とは?意味・由来・2月の稲荷参拝の作法を解説
📋 この記事でわかること
- 初午(はつうま)とは何か・稲荷神との深い関係
- 2026年以降の初午の日程
- 初午大祭の内容・全国の有名な初午祭
- 稲荷神社での正しい参拝作法
- いなり寿司・初午団子・しもつかれなどの行事食
- 二の午・三の午とは何か
初午(はつうま)とは何か
初午(はつうま)とは、2月の第一午の日に行われる稲荷神社のお祭りです。初午は、稲荷神社で商売繁盛や家内安全を祈願する年中行事で、毎年2月最初の「午の日」に行われます。
昔は日付を十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)に当てはめて数えていました。「子」「丑」「寅」と続いて「亥」で一巡すると「子」に戻ります。このように日付を数え、2月の最初にやってくる「午」の日が「初午」です。毎年日程が変わるため「今年の初午はいつ?」と気にする方も多い行事です。
📌 「初午」の読み方:「はつうま」と読みます。「はつごご」や「しょうご」ではありません。
初午の由来――稲荷大神が降臨した日
初午は、稲の豊作にご利益のある神様「稲荷大神」とつながりがあります。この稲荷大神が京都・伏見稲荷大社の奥に広がる稲荷山に降り立ったことから、稲荷大神を祀る行事が行われるようになりました。
その日が711年(和銅4年)2月の初午の日であったと伝えられており、以来「2月の初午の日に稲荷神社へ参拝する」という習慣が全国に広まりました。2月初めの午の日は農事開始のころにあたり、そのために農神の性格をもつ稲荷と結びつきやすかったのであろう。春の農作業が始まる時期に豊作を祈るという農耕民族の習慣と、稲荷信仰が自然に結びついた行事です。
また「稲荷(いなり)」の語源は「稲生り(いねなり)」にあるとされています。稲荷神社の「稲荷」は「稲生り」に由来するとされ、「おいなりさん」と親しみをもって呼ばれています。
稲荷神社とキツネの関係
稲荷神社といえばキツネの像が建っていますが、それはキツネは稲荷神の使いとされたからです。古来、田の神は稲刈りが終わると山にのぼって山の神になり、春になると山からおりて田の神になると考えられてきました。キツネは春がくると山からおりて田んぼのネズミを食べ、秋になると山へ帰ることから、稲荷神の使いであると考えられたのです。境内の狐像が口に咥えている鍵・鎌・巻物・玉はそれぞれ「米蔵の鍵・稲荷・智恵・霊魂」を象徴しています。
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初午の日程(2026年〜2030年)
初午の日付は十二支と暦の組み合わせにより毎年変わります。2026年は2月1日(日)、2027年は2月8日(月)、2028年は2月3日(木)です。目安として以下の一覧をご参照ください。
- 2026年:2月1日(日)
- 2027年:2月8日(月)
- 2028年:2月3日(木)
- 2029年:2月9日(金)
- 2030年:2月4日(月)
📌 旧暦と新暦の違いに注意:初午祭は旧暦で数えて初午の日に行う場合と、新暦で数えた初午の日に行う場合があります。神社によって旧暦・新暦どちらを採用しているか異なるため、参拝前に各神社の公式情報を確認しましょう。
初午大祭の内容
初午祭は稲荷大神を祀る行事です。稲荷大神は稲を象徴する農耕の神様であり、初午祭は五穀豊穣を祈るために行われてきました。しかし現代では五穀豊穣のほかにも、商売繁盛や開運、病気治癒などの幅広い意味も込めて行われています。
初午大祭で行われる主な神事・行事は以下の通りです。
- 祝詞奏上:神職が稲荷大神に感謝と祈りを捧げる祝詞を奏上します。
- 神楽奉納:巫女が神楽を奉納し、稲荷大神を喜ばせます。
- 福豆まき:参拝者に向けて福豆がまかれる神社もあります。
- お守り・縁起物の授与:初午限定のお守り・絵馬・縁起物が授与されます。
- のぼりを立てる:稲荷の祠に幟(のぼり)を立て油揚げや赤飯などを供えて祭り、参加者が飲食を共にしている。
全国の有名な初午大祭
- 伏見稲荷大社(京都):全国3万社の稲荷神社の総本宮で毎年盛大な初午大祭が行われます。期間中は稲荷山の奥社まで参拝者の列が続きます。
- 豊川稲荷(愛知):日本三大稲荷のひとつで、初午の日には多くの参拝者が集まります。
- 笠間稲荷神社(茨城):関東を代表する稲荷神社で、初午祭には特別な縁起物が授与されます。
- 王子稲荷神社(東京):江戸時代から続く「関東稲荷の総社」で、初午の日に凧市(たこいち)が立つ風習が今も続いています。
初午の正しい参拝作法
稲荷神社ならではの作法
- 鳥居をくぐる前に一礼:稲荷神社は連なる鳥居が特徴的ですが、入口の鳥居の前で一礼してから入ります。
- 手水で身を清める:手水舎で手と口を清めてから本殿へ向かいます。
- 本殿でお参り(二礼二拍手一礼):稲荷大神への感謝と「今年も五穀豊穣・商売繁盛をお守りください」という祈りを捧げます。
- 摂社・末社にもお参りする:稲荷神社の境内には多くの末社・お塚(おつか)がある場合があります。余裕があればそれぞれに手を合わせましょう。
- 油揚げをお供えする:稲荷大神のお使い・キツネが好むとされる油揚げをお供えする慣習があります。神社によってはお供え用の油揚げが社務所で販売されています。
📌 お供えした油揚げは持ち帰る:境内にお供えした油揚げは参拝後に持ち帰るのが正式な作法です。放置すると烏・野生動物が来てしまうため、必ず持ち帰りましょう。
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初午の行事食
いなり寿司(初午いなり)
初午の最も代表的な行事食です。いなりずしは「お稲荷さん」「きつねずし」とも言われ、関西では三角形、関東では俵型に作られます。油揚げの形が稲荷神のお使い・キツネの耳に似ているとも言われ、初午に食べると縁起が良いとされています。なお毎年2月11日は「初午いなりの日」として日本記念日協会に登録されています。
初午団子
地域によって形・呼び名は様々ですが、「初午の日に食べる団子」として全国各地に伝わる行事食です。丸い団子は「円満・五穀豊穣」の象徴とされており、稲荷神社に参拝した後に食べる慣習がある地域があります。
しもつかれ(栃木県の郷土料理)
スミツカリという独特の食品を供える所もある。「しもつかれ」は栃木県を中心とした北関東の郷土料理で、節分の残り大豆・鮭の頭・大根・人参・油揚げなどを酒粕で煮込んだ発酵食品です。初午の日に稲荷神社にお供えし、食べると無病息災になるという言い伝えが今も残っています。
赤飯
お祝いの席には欠かせない赤飯も初午の行事食のひとつです。稲荷神社でのお祭りに赤飯をお供えする習慣が各地に残っています。
二の午・三の午とは
初午(2月最初の午の日)の後に来る「2回目の午の日」を「二の午(にのうま)」、「3回目の午の日」を「三の午(さんのうま)」と呼びます。
初午祭は旧暦で数えた初午の日に行う場合と、新暦で数えた初午の日に行う場合があります。また、2回目の午の日にあたる「二の午」、3回目の午の日である「三の午」に行うこともあります。神社によっては二の午・三の午にも特別な神事を行うところがあります。「初午に参拝できなかった」という場合は二の午・三の午に参拝しても同様の意味があるとされています。
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まとめ
初午は711年に稲荷大神が伏見稲荷大社の稲荷山に降臨した日を起源とする、2月最初の午の日に行われる稲荷神社のお祭りです。五穀豊穣から商売繁盛・開運・家内安全まで幅広いご利益を持つ初午大祭は、伏見稲荷大社をはじめ全国3万社の稲荷神社で行われます。いなり寿司・初午団子・赤飯などの行事食を食べながら、稲荷大神への感謝を伝える2月の大切な年中行事です。
よくある質問
Q. 初午は稲荷神社以外でも祝われますか?
基本的に初午は稲荷神社の行事ですが、地域によっては稲荷以外の神社でも農耕の始まりを祝う行事として行われることがあります。また養蚕が盛んだった地域(長野・山梨・埼玉など)では蚕の神様に関する行事と結びついた初午の習慣が残っているところもあります。
Q. 初午に稲荷神社へ参拝する際、油揚げは必ず持参すべきですか?
必須ではありませんが、油揚げは稲荷大神のお使い・キツネへのお供え物として古くから伝わる慣習です。神社によっては境内でお供え用の油揚げが販売されています。持参する場合は参拝後に必ず持ち帰りましょう。油揚げを持参しなくても参拝そのものに意味があります。
Q. 伏見稲荷大社の初午大祭に参加するにはどうすればよいですか?
伏見稲荷大社の初午大祭は一般参拝者も神事の雰囲気に触れることができます。事前申込は不要で、初午の日に参拝すれば自然と大祭の雰囲気に参加できます。ただし当日は非常に混雑するため、早朝参拝がおすすめです。最新の神事スケジュールは伏見稲荷大社の公式サイトでご確認ください。
